AIIB vs TPP 2015 3 28
中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に
参加を表明する国が相次いでいます。
最近、イギリスがAIIBに参加を表明したことで、
各国が雪崩を打つように参加を表明しています。
これに対して、アメリカは危機感を持っていますが、
数年前の状況とは様変わりとなっています。
確か、数年前は、アメリカ主導のTPPに対して、
中国は、相当な危機感を抱いていました。
そこで、中国は、TPPに対抗するために、
何らかの対策を立てる必要に迫られました。
ところが、今や、オセロのゲームのように、
TPPブームが終わって、AIIBブームになっています。
世の中、「流行り廃り」は仕方ないことですが、
「それにしても」と言いたくなります。
TPPが流行遅れになってしまったのは、
いや長引いているのは、
日本にも問題がありますが、
アメリカにも問題があります。
労働組合や環境保護団体など、いろいろとあります。
このような「抵抗勢力」によって、
アメリカにおいても、TPPは遅れています。
厄介なことに、オバマ政権の有力な支持基盤が、
労働組合や環境保護団体なので、政治的に「複雑」です。
日本で言えば、オバマ政権は、「社会党政権」に分類されるでしょう。
AIIBの狙いは、日本を取り込むことです。
日本が参加しないAIIBは、
中国風に言えば、肉が入っていない「ギョーザ」のようなものなので、
なんとしてでも、日本を取り込みたいでしょう。
そこで、日本人は欧州ブランドに弱いので、
「イギリスがAIIBに参加」という具合に「環境作り」をしています。
中国としては、日本とイギリスを手に入れることができれば、
地政学的に「磐石の陣形」となります。
普通は、「大陸」を押さえ込むために、
日本とイギリスが「同盟」を組む必要がありますが、
今回の場合は、「大陸」が日本とイギリスを取り込む作戦です。
それを「指をくわえて眺めている」のが、オバマ政権です。
オバマ政権は、中東で失態を続けているので、
「アジア戦」に参戦する余裕はありません。
もちろん、中国にも「焦り」があります。
オバマ政権という「バーゲンセール」が続いているうちに、
「取れるものは取ってしまえ」という作戦ですので、
次の大統領選挙が気になるところです。
リベラルの限界 2015 3 14
産経ニュースで、2015年3月12日、
宮家邦彦氏は、このように書いています。
核疑惑に関する「信用」と「枠組み合意」といえば、日本には苦い経験がある。
1994年、北朝鮮の核開発疑惑に関し、米朝両国が「枠組み合意」に調印した。
北朝鮮が黒鉛減速炉の建設・運転を凍結し、代わりに米国が軽水炉建設を支援、
完成まで年間50万トンの重油を供給するという、あの悪名高い合意だ。
当時のクリントン政権関係者は、
「時は日米韓に有利であり、北朝鮮の軍事力はピークを過ぎた」として、
この合意を正当化していた。
(引用、以上)
その後、北朝鮮は、どうなったのか。
3回目の核実験を成功させて、事実上の核兵器保有国になりました。
結果的に、北朝鮮は、二つのものを手に入れたのです。
それは、経済援助と核兵器開発です。
日本としては、「あの悪名高い合意」を苦々しく思っていましたが、
なぜ、アメリカは、北朝鮮に肩入れするのかは、疑問が残りました。
そこで、日本では、いろいろな噂が飛び交いました。
ホワイトハウスの「実績作り」ではないのか。
アメリカは、朝鮮半島に、何らかの「利権」があるのではないのか。
日本としては、アメリカを調査したいところでしたが、
なにしろ、相手は超大国なので、渋々、従わざるを得ませんでした。